Copyright 2006-2009(C) Erina Sakura All rights Reserved
このサイトの著作権は管理人:作倉エリナにあります。禁無断転載・転用
Warp【(心・判断などを〉ゆがめる,ひがませる】
1st sentence
ここまでにぶいと、正直犯罪だわ、って最近思う。
今、私を隣に乗せて車を走らせてる男、成瀬 昌。
みんなからはナルって呼ばれてる。もちろん、私もそう呼んでる。私とは(ナル曰く)高校からの腐れ縁。もう7年近い付き合いだ。
ルックスはまあまあ、性格は若干腹黒いけど爽やか前向き。へこたれない。知ってる限り、彼女は一人で、3年前に別れたっきり。
そんな男だけど、もう7年、私は彼のことを密かに思っている。それなのに、ナルはいつまでたっても気付かない。
結構、あからさまにアプローチしてると思うんだけどな。
そんなナルが突然、3年前に別れた元カノに会いに行くと言い出した。
その元カノとは他でもない、私の双児の姉の茉莉亜。
『忘れ物があるんだ。でも、一人じゃ行きづらいし…、今どうしてるかも知らないから』
なんて言うから、仕方なくお姉ちゃんの居場所を教えて、ついてってあげることにした。
ホントは、心配だった。お姉ちゃんと付き合ってからのナルは、まるで別人みたいだったから。ナルにとっては、大恋愛ってやつだったんだと思う。
それなのに、今さら…。