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W.E.M【世界の終わる音が聞こえる】(W.E.M[World's end music])

W.E.M【世界の終わる音が聞こえる】 第1話(the heads) 09/11


  舞台のさらに奥に、楽屋が用意されているらしい。真の案内でそこへ向かう。
  さっきから、顏パスで入ったり、楽屋まで押し掛けたり……。一体何がどうなってんだ?歌ってたヤツの知り合いだからって、……いや知り合いっつっても、昨日会ったばかりなのに。

「てか、テッちゃんは何で制服なんだよ?どこいたの?」
「それがさー、家にいないで駅前のコンビニにいたんだ。珍しいよね。今日はどっちで練習してたの?」

 あー、もう、うっさい。その話題には触れるな!
  帰りたくなくてふらふらしてました、なんて言ったら、何言われるかわかんねえ。
  黙殺。黙殺するに限る!

 楽屋の扉前の廊下にティアスと新島がいた。
  デニムにセーター、ごつめのジャケットにニット帽。夕方会ったときと同じ、カジュアルな格好だった。さっきのドレスは舞台衣装だったらしい。化粧は落としてないのか、ちょっときついまま。
  二人はなにやら争っていたらしいが、傍目からちょこっと見た感じでは、ティアスに新島が言い負かされているように見えた。

「ティアス!よかったよ、今の」

 笑顔で彼女に駆け寄る御浜。さらっとそう言うことが言えるんだよな、お前は。

「ありがとう。沢田くんも……来てくれたんだね。どうだった?」
「別に」
「また、聞いてね」

 我ながら素っ気ないし、冷たい態度だと思ったのだが、彼女は気にする様子もなく、笑顔でそう言った。

「そういやさ、なんか喧嘩してなかった?二人?」
「いや、大したことじゃないんだけど……。ティアスがよけいな気を遣うから」
「余計じゃないわよ。フツーでしょ?じゃ、私、もう行くから」
「だから、帰ればいいって言ってんだろうが。オレのことなんか気にするなっつーの」

 ティアスは黙っていたが、歩みを止めようとしない。それを新島が必死に引き留める。
  一体何があったんだか。

「……沢田んち、妹がいたよな、確か。今夜もいる?お父さんは?」
「ああ。いるけど……。オヤジはどうかな?電話があったし。柚乃がどうかした?」
「ティアスのこと、一晩泊めてやってくんない?」
「はあ?」

 何をわけの判らんことを!

「いや、ティアスのことさっき話しただろ?で、コイツ、オレに気を遣って今夜は部屋に帰らんって言うんだよ。コイツ、言い出したら聞かないからさ。だからって、この時間にコイツを一人で放り出すのも悪いしさ」
「ちょっと待て、それで何でオレんちなんだよ!」

 御浜が……。

「だって、白神の家は父さんと二人暮らしだし、オレん家に連れて帰るとあの凶暴なにーちゃんにばれちまうし。お前んちなら妹いるから間違いも起こらないだろうし、お父さんも顏知ってるからさ」

 確かに……。賢木先生のつてで、一緒に飲んでるくらいだしな。どんな紹介をされたかしらんが、オヤジと賢木先生はかなり仲良いし。

 って、そうじゃなくて!御浜がこの女に気があるって知ってて、それはどうよ!?いくら柚乃がいたって……。
  多分、オヤジも柚乃も何も言わないと思うけど……。
  オレはどうなる?高校生男子の家に、こんな……可愛い女……。

「今夜だけで良いから、頼むって!」
「……わかったよ」

 新島にここまで頼まれちゃ仕方ない(ホントに保護者みたいだな)。それに、ここで頑なに断る方が、なんか変な気を回してるみたいでよくない気がしてきたし。
  御浜がずっと笑顔なのが気になるけど。

「それでいいだろ?ティアス。大丈夫だって、ここんちの妹は確実に可愛いし、この系統の血が入ってるなら」
「それ、何か関係あるの?……ホントに良いのかな、沢田くん?」
「良いよ、別に。泊まってくだけだろ?どうせ家は人の出入りも激しいし。御浜なんか入り浸りだ」

 何でオレって、こういう言い方しかできないんだよ……。
 
「えー、ちゃんと夜には帰ってるよ」

 ……うん。御浜も気にしてないみたいだし。てか、コイツは俺が愛里のこと好きなの知ってるしな。そんな心配なんかしないか。

「……じゃ、よろしくお願いします」

 彼女はオレに向かって、軽く頭を下げる。
  こう言うとこ、可愛いんだよ。

「別に」

 思わず、顔を背けてしまった。

「テッちゃん、冷たいね。そんなんじゃ、モテないよ?いくら顔がよくても」
「てか沢田って、……うんと、硬派、ってヤツなのかな?」

 新島、お前、今ものすごーく言葉を選んだだろ。

「女の子の扱いを知らない、お子さまってコト?」
「いや、そこまで言ってないし。泉は沢田にメチャクチャ言い過ぎだって。でもまあ、女がいるって話も聞いたことないし、女がいるような感じもしないし。古風って言うか」
「新島、テッちゃんにははっきり言った方がいいって。あの人根暗だから、根に持つよ?あれでしょ?女を知ってんのか知らないのか!」
「……知らない、かな?」
「あー、だよねー」

 頭痛い……こいつら。好き勝手言いやがって。

「え?テツは中学のとき彼女いたよ?」
「そうなの?意外!その子とはどうなったの?」

 ティアスまで……何こんな話題に食いついて。泊めてやんねーぞ、このやろ。

「んっと……2人だっけ?」
「3人だよ」
「そうそう。みんな3ヶ月くらいしか保たなかったけどね」

 何で真も新島も不審そうな目で見るかな?オレに女がいたのが何がおかしいんだよ。

「あー、でもなんか予想できる。下手に見かけが良いから、女の子から告られて、興味本位でつき合ってみたものの、結局どうでも良くなっちゃって、やることだけやってポイ捨てしたあげく、彼女に悪い噂とか流されたりしてそう」
「顔が良いからつき合ってみたけど、超つまんない、とか言われてそうだな。そう言うとこ、中坊は酷いからな」

 見てきたのか、お前らは!御浜もなんか頷いてるし!
  ノーコメントだ!何も言わない、表情すら変えるもんか!

 ここでまだ、真や御浜が愛里のことを口にしないのが救いだけど……。

「へー……」

 オレを見上げるティアスから、必死に目をそらす。
  何がそんなに面白いんだ、この女は。

「良いから、さっさと帰るぞ。これでも家は門限にはうるさいんだ。さっきだってオヤジから電話があったし」

 なぜだか複雑な表情でオレを見つめる彼女。
  でも、つっこむわけにも行かず、オレ達はその場で真と新島に別れを告げた。

 駅から家はそんなに離れていないので、御浜とティアスと3人で話ながら歩いて家に帰った。
  20分くらいの距離だったけど、御浜がいれば、そこまで酷い態度をせずに彼女と話が出来た。

 家についたときには、時計の針はもう12時半をさしていた。
  玄関の前で御浜と別れ、彼女を家の中に促す。
  この時間なら、オヤジも柚乃も大抵起きてるはずだった。

「……あれ?」

 台所の電気が消えていたので、不審に思って、電気をつけてテーブルの上を確認する。
  ……携帯、オヤジから電話があったはず……。
  あれ?メールも入ってる。柚乃からだった。

『今日はパパが急な出張で帰ってこれないそうです。テッちゃんと連絡つかないって、怒ってたよ?適当に誤魔化しておいたけど。私も出かけるので、パパにはうまく言っといてね(*^_^*)』

 ちょっと待て!
  てことは何か?今夜はこの女と二人きりってコト!?
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