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W.E.M【世界の終わる音が聞こえる】(W.E.M[World's end music])

W.E.M【世界の終わる音が聞こえる】 第1話(the heads) 04/11


「なんか、テツと一緒に帰るのって久しぶりだね。家にはよく行くけど」
「そーだな。てか御浜、そのヘラヘラ浮かれた顔を何とかしろよ。さかりのついた猫かお前はっっ!」
「えー。それはさすがに酷い言い方。オレが女の子に声かけちゃいけないわけ?」
「まったくだね。なーんでテッちゃんはそんなにかりかりしてんの?何かやなことでもあったわけ?愛里ちゃんのこと?」
「うるさい!何でお前が着いてきてんだ!真!」
「いやだー、この人。今日の愛里ちゃんの前での態度ったら落ち着き払ってて、一体どこのおっさんかと思ってたのに、今度は何だかかりかりしちゃって、情緒不安定な思春期の女子高生みたいー」
「だまれ!棒読みすんな!余計へこむわ!わーっとるっつーの!!」

 すっかり夜も更け、芸大からの最終バス(20:10)に何とか乗り込んだオレ達は、バス停から歩いて家路についていた。
  オレと御浜は良い。お隣さんだし、仕方ないけど、なぜか真が後ろから着いてくる。
  いちいちオレをからかうような、カンに触る態度をとってきやがる。

 確かに、真の言うとおり、今日はかーなーり、かりかりしてはいるけれど。

「南さんに送ってもらえばよかったじゃねえか、お前らは」
「だめだって、卒制があるから忙しいんだって」
「なに忙しいのに押し掛けてんだよ、そーんなに彼女に会いたいわけ?」
「仕方ないじゃん。紗良のヤツ、忙しすぎて帰ってこないんだから。年明けじゃないのか?卒制って……?」

 ……オレのつっこみはスルーかよ。顔色一つ変えねえ。

「ふーん。つき合ってるわけでもないのにご執心だな。……てか、一緒に住んでるみたいな言い方」
「住んでるよ。言わなかったっけ?オレ、紗良んちに居候してるの」
「……そう言えば」

 確か、真は家族を事故でなくしてて、遠縁の親戚の家に預けられてるって聞いてたけど、そこが南さんちか……。

「真は、ホントに紗良さんのこと好きだよね。すっごく大事にしてる」
「お!御浜は良いこと言うよね。そうそう、オレってば大事にしちゃってるわけよ。あの人お堅いからさ」
「何が大事か!?見るたび、違う女連れて歩いてるくせに」

 南さん一筋だというなら、そう言う態度をしろよ。軽すぎんだよ、お前は。いくらなんでも。(ある意味うらやましいけど)
  御浜もそんな真のことを笑い飛ばしていた。

 そういえば、今まで、御浜のそう言う話って聞いたこと無いよな。
  もしかしたら学校でそう言う女がいるかもしれないけど、御浜がオレに言わないわけがないし……。

 どっちかっつーと……相当奥手で、そんなに下ネタも興味なくて、中学の時から先輩女子に人気のあったさわやか美少年(はあと)のイメージそのまんまのいい子ちゃん、ってかんじなんだけどな。

 何で、急にあんな失礼な女が良いなんて言い出したんだか。

「ただいまー」
「おじゃましまーす」
「……って、何で真までオレんちに着いてくるんだよ!」
「あ、ひどいなー。御浜はよくてオレはダメなわけ?てか、御浜がフツーにこっちに来たから、オレもこっちに来ただけなんだけど」

 ああ、もう何もつっこむ気にならん。……今日は一人にして欲しい。考えることが多すぎるよ。

「あ、テッちゃんおかえりー。御浜さんと真さんもいらっしゃい」

 セーラー服のまま台所から出てきたところを見ると、妹は帰ってきたばかりのようだった。しょっちゅう家に来るから、もう御浜も真も顔なじみだ。

「親父は賢木先生と飲んでくるから遅くなるって。ちょっとピアノ弾いてるから、テキトーにしてて」

 玄関を上がったところで、学ランを脱ぎながら、御浜達をおいて、奥にあるリビングに向かう。

「ちょっと、テッちゃん!待ってよ。御浜さん達とは言えお客さんよ?ほっといていいわけ?」
「10時までしか弾けないだろうが。今さら客もくそもあるかよ」
「あはは、良いって、柚乃。テツ、なんか調子悪いみたいだからさ。あと30分しかないし、弾かせてあげようよ」

 リビングの扉を閉めた後、電気もつけずに思わずその場に座り込む。

 そんなこと、ここに来るまで一言も言ってなかったじゃねえか……。ホント、かなわねえな、御浜には。
  なるべく、フツーにしてたつもりなのに。
 
  ……もう、何も考えたくない。とにかく弾こう。
  弾いてる間は、忘れられる。
  集中してれば……

 


 ダメだ、なんでだ?
  扉の前に座り込んだまま、体が動かない。

 暗闇の中、どうして良いか判らない。
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