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Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと]

Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと] 続・序章 第1話  続・世界を見る 01/10


ティアスは、ケガをして運ばれてきた客室をそのまま借りて、オワリ国にいることになった。
サワダの父親がミハマの父親、つまりサワダ元老院議院がオワリの王に『自分が後見になる』といって話を通したらしい。

「聞いた?アイハラのいた時代ではね、あのティアスって女は、実はオレの女で、アイハラはずっとあの女を狙ってたらしいんですよ、これが」
「ほー、なるほどね。だからあの態度か。いやあ、アイハラくん、判りやすいなあ。いやいや」
「……そう言う話は人のいないとこでしろよ!関係ないっつったの、お前らじゃん!!」

城の屋上で、2人仲良く煙草を噴かしながら横に並んで床に座り、向かいに座るオレをからかう。
イズミのヤツ、サワダの前だと随分優しいんじゃないの?ちくしょうめ。

でも、こうしてると、学校の屋上で話してた時みたいだな。泉も沢田も、自信たっぷりっつーか、自信過剰って言うか、こうやって人のことをすぐからかってきたから。オレがヤツらから見たらいじられキャラだっただけかもしれんけど。まあ、泉は沢田ですらいじってたからな。新島くらいか。あいつは妙に大人びてて、いじられたフリはしてたけど、何だかずるい印象があったから。

そういや、ティアスがここにいるってことは……ニイジマや、一緒にいたはずのセリ少佐はどうしてるんだろう。
彼女が危機の時に、確かに傍にサワダがいたから手が出せなかったとはいえ、何もしなかったんだろうか。それとも、別の所にいたってことかな。

「……で、アイハラ的にどうなのさ、彼女は」
「だから、別人だっつーの!顔は一緒だけど、髪型とか違うし、あんなサワダみたいに戦うような子じゃないよ。フツーの子だった」

オレの知ってる彼女と、こっちの彼女の大きな違いは、髪型だった。
腰まで伸びた長い髪に、違和感を覚えた。だけど、話してみたら、オレの知ってる彼女だった。

そして何よりオレは、彼女と秘密を共有してる。

「でも、縁だの何だの言ってたけどさ、ただの偶然ってことだね」
「偶然?何が?お前の言うことは良くわかんねえよ」
「テッちゃん、吸いすぎじゃない?シュウジさんみたいになっちゃうよ?」

イズミにそう指摘され、サワダは苦笑いと共に、二本目の煙草をしまった。
その様子に、妙な違和感のようなものを感じたのはオレだけだろうか。何だか、サワダらしくないって言うか……。
イズミに対しては、なんか一言くらい文句を言いそうなモンなんだけど。「お前だって吸ってんだろ!」とか、大したことじゃないけど……。
シュウジさんみたいって言うのがきついのか?

「偶然って?」
「だって、彼女はアイハラのいた時代では、テッちゃんの女だったんだろ?でも、テッちゃんと彼女がどうにかなるなんてあり得ないし、何よりミハマが興味を持ってるし」
「だよなあ。オレも別に、どうでも良いし」
「……ホントに?てか、なんでイズミも『あり得ない』とか言い切れる?」

……あ、やべ。睨まれた。

「シン、睨むなよ。こえーぞ」

オレの表情が変わったのをみて、溜息をつきながらサワダがイズミをたしなめてくれた。

「でも、シンの言うとおりだよ。あり得ない」

サワダは……結局二本目の煙草に手をつけた。イズミはそれをとめなかった。

気味が悪いほど、イズミはサワダに気を使っていた。いや、イズミだけじゃない。イツキ中尉も、ミナミさんも。もしかしたら、シュウジさんですら気を使ってるかも知れない。
サワダは、常に何か重いものでも背負ってるような顔をしながら、時折笑顔を見せてくれる。
オレですら、彼の笑顔に疑問を感じる。

「あり得ないテッちゃんに質問ですけど?」
「なんだよ」
「何で彼女を助けたの?魔物と戦うのは良いけど、彼女を助ける必要はないね。共同戦線をはったわけでもないし。ほっとけばいい」
「薄情!女の子が1人で戦ってんのに、助けもしないのか、イズミは!?」

助けなかったら、ティアスはどうなってたんだよ!!そこまで鬼か、この男は!!

「状況によるかな。でも、オレだったら、彼女は助けない」
「なんで?!」
「そんなに目くじらたてんなよ。かっこわるい」
「かっこわるくない!当然のことを言ってるんだ、オレは!」
「ああ、惚れた女を助けないで、どうするってか?」
「そうじゃなくて!」

オレ1人で怒鳴ってて、なんか子供みたいだ。でも、イズミの言葉は納得できない。

「あの女は、怪しすぎるよ。オワリにあんな技を使う女はいないし、あそこまで魔物と渡り合える人間なら、何かしら、どこかの国でよい扱いを受けてる。だからこそ、元傭兵の集まりだった連中が、現中王直属部隊として国を動かしてるわけだ。どこの国も、腕の立つ戦士を集めるのに必死だよ。表だって研究が出来ないから余計に。そう考えたら、彼女は怪しい。一体何者だ?どこかの国の腕の立つ戦士で、この国を探りに来たんじゃないかってね。そう考えるよ」

溜息をつきながら説明するサワダの横で、イズミが苦笑いする。
おおかたサワダが親切に、オレみたいな何も出来ない平和なガキに説明しているのを、「お節介だな」とでも思ってるんだろう。

「……どこの国に属することも由としない、流浪の旅人かも知れないじゃないか」
「映画の見過ぎだ。実際、そんなんじゃ今の世の中生きてけない。中王軍によってニホン国中くまなく探されてるからな」
「……なんだよ、それ」
「そう言う世の中ってことだよ。オワリの国でも、城の中でもオレ達には自由がない。お前、とんでもない時代に来たんだよ、判ってる?」
「判ってるよ。でも、城の中でもって……」

思わず、辺りを見渡した。

「平気だよ、ここはね。オレに抜かりはない」

にやっと笑ったのはイズミだった。

「城の中は……?」
「たまに、中王軍のスパイが入ってたりするね。隠密部隊って言うの?こっそり各国の王宮に忍び込んで、中王にご報告してるらしいね」

さらっとそう言うサワダ。
おいおい。それって、とんでもない状況じゃない?常に監視されてるってことじゃん。戦国時代かよ!(似たようなもんか)

「……オレに抜かりはないってことは……」
「王子の護衛部隊近辺は、シンが片づけてるからな。大丈夫だよ。じゃなきゃ、オレ達、おちおち会話も出来ねえよ」

……簡単に言うけど、それって相当すごくない?さすが怪獣。だてにあんな魔物と渡り合ってないし。いや、それ以上にすごくないか?

「でも、護衛部隊近辺だけなんだ」
「他の所までいちいちやってらんないよ」

悪びれずにそう言うイズミを、サワダが笑い飛ばした。
ホントに、こいつらの味方って、護衛部隊だけなんだな。

だから、オレもまた、こいつらからは弾かれてしまうんだ。
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