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Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと]

Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと] 序章 第7話  選ぶと言うこと 04/10


「良いから、早く手当をしてきなさい。そんなことで我慢するもんじゃない」

 父親っぽくそう諭すサワダ父。いや、だから、あんたらが心配だから、この人達ここを離れられないんだって。

「言い出したらきかねえしな……」
「何か言った?シン?」
「いいえ、何も言ってません、殿下。さっさと怪我人連れて戻ります。アイハラ二等兵、ここに残って殿下をお守りして」
「え……!?」
「え?!じゃない。敬礼!それから返事は『イエッサー』!」
「……い……イエッサー……」

 うう……。ここに残るのも怖いけど、イズミの威圧も怖い……。何かあったら止めろってこと?それとも逐一報告しろってこと?

「いいよ、アイハラも一緒に戻れば」
「そうはいかない。自分の立場を弁えろよ」

 サワダに睨まれ、苦笑いをするミハマ。サワダ父も同様に困ったような笑顔を見せていた。

「戻ろう」

 イズミに担がれるサワダが、全員にそう指示をする。そんなに聞かないのか、この我が儘王子様……。確か、立場はあるけど、一応対等だって言うようなことを言ってた気がしたんだけど。王子様としては正しい姿なのかな?

 でも、この場に残されるのは、どうにもこうにも厳しいですけど。嫌すぎる。

「良いのかい?そんな信用ならない子供を連れていて」

 だから、少しは歯に衣着せるとかしようよ!なんでいきなり直球で攻撃するんだよ!サワダ父は一体幾つなんだよ。
 しかも、サワダ達の姿が見えなくなったと思ったら、即かよ。

「良いんです。お気になさらず。大丈夫ですから、彼は。ねえ、アイハラ?」
「……はい!」

 うう……ミハマも怖いよ……。このキラキラ王子様の風貌で、時々その威圧感出すのはずるいって。

「まあ、何も出来ないか」

 酷!!サワダ父酷すぎ!!事実だけど。

「彼女は、本当は何者なんです?」
「言ったろう?友人から預かっただけだと。貴族のお嬢さんだ。それなりの待遇を用意しないとね。王に紹介するつもりで連れてきたのだけれど、こんなコトに巻き込まれてしまって」
「ええ。大変でしたね。最近、オワリ国は特に魔物の襲撃が多い。つい先ほど海から来たと思ったら、今度は空から。まるで計ったかのようなタイミングだ。しかも、こんな中心部に。今まで、空からの魔物の襲撃は寒い地方がほとんどだったし、こんな中心部に現れただなんて報告はほとんどない」
「そうだね。警備を強化しないと。早急に軍の整備もしないとね」

 ミハマの口調は丁寧で穏やかだったけれど、その内容は背筋が凍るくらい直接的で攻撃的だ。
 明らかに、サワダ父がこのことに関して何か知ってる、あるいは関わっていると彼はふんで、そう思っていることをサワダ父も理解している。その上での会話だ。

 要するに、もう歯に衣着せても仕方がない、そんな関係なのかも知れない。
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