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Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと]

Switch[モラトリアムを選ぶと言うこと] 序章 第1話  世界を見る 01/05


 目が覚めたのは、見たことのない部屋だった。
 多分もう何も驚かないけど……。さっきよりはマシな対応が出来ると思うけど。

「気が付いたか?お前、スタバで倒れたんだよ」

 それは覚えてる。
 目の前にいる沢田は、さっき一緒にいた沢田みたいだ。
 オレはやたらデカイベッド(クイーンサイズってヤツか?しかも無駄に天蓋とか着いてるし)に寝てた。ここに運んでくれたのが沢田だとして、ここはコイツの家ってこと?
 金持ち?アラブの王様かよ!

「良かった。気が付いたみたい。ホントにアイハラそっくりだね」
「……?だれ?」

 沢田のトモダチかな?オレの知らないヤツだ。同じくらいの歳みたいだけど……。中世的な顔立ちって言うのかな。キレイって言う言葉が似合う男だ。
 なんだろ?変な違和感がある。
 ……そっか。この人は椅子に座ってるのに、沢田はその傍らに立ってるからだ。なんか、それが妙なんだ。

「なんだ、ミハマの顔は知らないんだ?まあ、あんまり人前に出ないしな」
「ミハマ……?」
「この国の王の一人息子だよ。名前も聞いたことない?」
「やっぱり王様かよ!」
「やっぱりって、何だよもう」
「だってこんな夢見心地な部屋に、こんなベッドて!」
「あはは。そんな風に見えるんだ」
「ミハマ、そこ笑うとこじゃねーし」

 そう言いながら、沢田は笑った。こっちのコイツの笑顔、初めて見たかも。
 何か、わりと神経質な感じでピリピリしっぱなしの沢田(オレの友人の方は穏やかだったけど)に比べて、ミハマさん(エライ人みたいだし)は何かニコニコしてて、空気がほわ~っとしてる感じ。
 王子様仕様のカボチャパンツが素で似合いそうな、超キラキラ系美形(日本人ぽいのに、目とか髪とかの色が薄いのもまた女子にモテそうで不愉快)なのに、嫌味がない。
 う~ん、育ちの良い本物のお坊っちゃんて、こんな感じかもなあ……。オレの通ってる公立高校じゃ、まず出会えんけどね。
 (だから中途半端おぼっちゃまの沢田ですら、結構浮いてたし)

「どうよ、このアイハラのそっくりさんの感想は?」

 そうミハマさんに聞く沢田。
 お前だってそっくりさんだよ!

「うん。でも、別の人だろ?」
「そりゃそうだ。アイハラは……」
「そういうことじゃなくて、彼はここにいたアイハラとは全然違うだろ?」
「でも、姿はそっくりだ」
「そんなことはどうでもいいんだよ。姿なんてものは、ね」
「でも、この姿はここにいる者を惑わす。そのための姿かもしれないし」
「……そんな、企んでるヒトが気絶するかな?」
「もうちょっとヒトを疑えよ、ミハマ!お前は特にここを治める立場なんだし!」
「別に全面的に信用したわけじゃない。オレはまだ、このヒトと話をしたわけじゃないし」

 黙って聞いてたけど、……信用してるから優しいわけじゃないのね、ミハマさんて……。

「彼の話、聞きたいな。何かテツやシンのこと、知ってるみたいだし」
「オレはこんなそっくりさん知らねえて」
「気絶した理由も聞きたいしね」
「てか、オレの話は無視かよ!」

 沢田のヤツ、振り回されてんな。思わず笑ってしまいそうだったけど、また睨まれても困るし、フツーにしとこ。
 今は、他にとるべき道があるはずだしね。

「オレの知ってる沢田は、ピアノばっか弾いてて、彼女にデレデレで、さっきのスタバに二人で何時間もだらだらしてるような男で……」
「待て!何をあることないこと言ってやがる!」
「テツ!ちょっと黙って聞きなよ。……それで?続きは?アイハラ」

 ニコニコしながらオレの話を聞くと言った。華やかな人なんだけど、壁がない。
 そして、この人を味方に付けるのが最善策な気がする。

「……妹がまた超可愛くて、しっかりしてんだ。父子家庭で、家事もしてる。名前は沢田柚乃」
「そうなんだ。ここにもユノはいるよ。テツの妹じゃないけどね。テツの彼女はなんて言うの?」
「ティアス。日系3世で、去年こっちに引っ越してきた。前はベルギー、その前は横浜にいたって言ってた」
「シンは?」
「オレは高校入学のクラスから話すようになったんだけど、沢田とは前々から知り合いみたいで……スゲー仲良いよ」
「もういいだろ、ミハマ。十分だ」

 そう言ってオレを制したのは沢田だった。

「そう?オレは面白いからもうちょっと聞きたいな。だって、テツに彼女って、ありえないでしょう?」
「ありえないって……?ティアスとは出会って一ヶ月もしない内に付き合ってましたが!手ぇ早すぎ、って思ってたのに!!」
「あはは。テツから行ったんだ」

 笑うミハマさんに、隣でムッとする沢田。

「……はっ?!もしかしてあれですか、生理的に女は受け付けないとか……」

 気……気をつけなきゃ……。

「……この場で殺されたいんか、お前は?」
「まっ……待って待って!目が本気!優しさプリーズ!」

 ミハマさんの隣をキープしたまま、微動だにしないくせに、何でそんなに怖いんだよ、コイツは……。

「女のヒト、嫌いなんだよね、テツは。女のヒトがダメなわけじゃなくて」
「あー、そういうヤツのが女に騒がれますよねぇ」
「そうだね。よく騒がれてるよ」

 うーん。常にスマイルを忘れない人だなあ……。沢田は、何かカリカリしてて人生損してる感じがする……。
 しかし、ここでもモテるわけね、沢田は……。やっぱ若さと顔か!?
 何かヤナ感じだな。
 嫌なこと思い出す。

「……ティアス……は、いない?」
「さっき言ってた、テツの彼女?知らないや」

 沢田は首を振るミハマさんの肩に手を置くと、

「てか、もういいだろ、ちょっと気分悪い。こいつは、まるで見てきたかのように、別人の話を、オレ達の話のようにする。まるっきりウソを言ってるならまだいい。でもこいつは……」
「そうだね。嘘をついてるようには見えないね」

 ミハマさんの顔が、少しだけ険しくなった。オレはやっぱり試されていたらしい。
 とりあえず、オレがこの人達に「危害を加えない」っつーことだけでも証明しないと、生きて帰れそうにないぞ。少なくともあの沢田の様子と剣を見たら。
 死んだ人間にそっくりで、しかもそれを利用してお偉いさんの側近に近付いた。そう思われてるってことだしな。
 どうしたらいい?なんか、オレの話がホントだって証明出来るものは……。

「沢田……さん。これ、見てくれよ!オレの話がホントだって、証拠!」

 携帯に残してあった写メを見せる。修学旅行に行ったとき、沢田と泉とオレで撮ったヤツだ。こんなん残してるって思われたら恥ずかしいから、あんまり見せたくなかったんだけど。

「へー、こんな形の機種、初めてみた。小せえな。半分に折れ曲がるんだー。目立つ色だなー、どこのヤツ?」
「そりゃーもう2年も使ってて型落ちになったけど……ってちっがう!!そこみんのかよ!?画像を見ろっ!」
「お前も乗ったじゃん。どう思う、ミハマ?」
「……なんか、正直あり得ない写真だけどね。でも、制服とか一緒じゃん。撮った覚えある?」
「ないよ。てか、シンが他人の写真に残ってること自体、おかしいよ。どこでこんな写真入手したんだか。よくできた合成かと思ったけど……」
「合成じゃないって!信用しろよもう!だから、オレの友達にホントにそいつらがいるの!それで、オレはここじゃない世界から来たんだよ!」
「ますます、わけの判らんこと言ってるぞ、コイツ」

 若干、うんざりした顔の沢田をよそに、ミハマさんは携帯らしいものを手にしていた。
 さっき、沢田が言ってたことはあながち冗談じゃないのかもしれない。
 ミハマさんが手にしていた携帯らしきものは、戦争映画なんかに出てきそうな、軍用レシーバーをそのまま小さくしたような、象が踏んでも壊れなさそうな無骨なデザインに、迷彩柄だった。(結構欲しいかも)
 少なくとも、そんなデザインの携帯は見たことがない。結構でかいし。

「シュウジが、アイハラのこと連れて来いって」
「そだな。シュウジに押しつけるか。もーなんか、オレ、考えるのめんどくさくなって来ちゃってさ」
「うそばっかり。……テツ、連れてってあげなよ。後の処分は任せるから。オレ、まだ色々仕事あるし♪」

 笑顔でそう言うミハマさんに、沢田は何も言えないようだった。
 てか、今度はどこに連れてかれるんだよ!!
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